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デザインカラーも考えよう!ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは一言で表現するなら「みんなに優しいデザイン」です。
「どのような人にも分かりやすいこと」を目的として設計されたものを指します。
その必要性や要点をとりまとめました。
ユニバーサルデザインとは
一言で表現するなら「みんなに優しいデザイン」です。
「どのような人にも分かりやすいこと」を目的として設計されたものを指します。

国籍や言語、文化の違いはもちろん、年齢や性別、理解の能力に障害の有無など、”人はそれぞれ違いがある”という事を前提にした考えから生まれたものです。 身の回りにある代表的なものとしては、自動ドアやスロープなどもその考えにあたります。
二次元で身近なものはピクトグラムでしょうか。年齢や国籍を問わず理解できるシンボルマークとして、案内図やパンフレット、施設内の表示などで有効利用されています。このように、多種多様な人々が利用できることを目指とした建築方法や設備・製品・情報表示の仕方、またそれを実現するためのプロセス(過程)がユニバーサルデザインだとされています。
ユニバーサルデザインが生まれたきっかけ
1963年、デンマークで提唱された、「障がい者や高齢者を特別視せずに、一般の人たちと同じように暮らせるようにしよう」という考えに基づいた「ノーマライゼーション」がそもそもだったようです。
1990年、アメリカの建築家で教育者でもあるロナルド・メイス博士がノースカロライナ州立大学のユニバーサルデザインセンターを設立しました。 博士は、幼少期の病気が原因で車椅子を使っていたこともあり、自身の経験からアクシビリティに焦点を当てた研究をし、建築にもその考え方を活かすなど、障がい者への偏見や差別をなくし、理解を広めることにも尽力されました。
ユニバーサルデザイン7つの原則
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1.どんな人でも公平に使えること。
・すべてのユーザが同じ方法で使えるようにする.それができないときには似たような方法でできるようにする.
・どんなユーザも特別扱いしたり,レッテルを貼ったりしない.
・どんなユーザに対しても同等にプライバシー,安心,安全の保障を与える.
・すべてのユーザにとって魅力的なデザインである. -
2.使う上で柔軟性があること。
・使い方が選べるようにする.
・右利きでも左利きでも使えるようにする.
・ユーザが的確に,正確に使えるようにする.
・ユーザのペースに合わせることができるようにする. -
3.使い方が簡単で分かりやすいこと。
・不必要な複雑さを避ける.
・ユーザがこうだろうと思うことや直感に合うようにする.
・ユーザの識字能力や言語能力に適応する.
・情報を重要さに応じて提供する.
・使っているとき,及び終わった後に,効果的な指示やフィードバックを与える. -
4.必要な情報がすぐに分かること。
・重要な情報を豊かに提供するために,絵,音声,触覚などいろいろ異なったモードを使う.
・重要な情報の“読みやすさ”を最大限にする.
・一つ一つの要素を記述できるように,はっきり分ける(つまり,指示や使用説明をしやすくする).
・感覚機能に障害のある人のためのいろいろな支援技術を通しても使えるようにする. -
5.簡単なミスが危険につながらないこと。
・危険や誤りを最小限にする.最も多く使われるものは最も使いやすくする.危険性のあるものは,取り除く,別のところに置く,保護カバーをつけるなどする.
・危険や誤りがあったときは警報を出す.
・フェイルセーフを提供する.
・注意して操作しなければならないタスクを無意識に扱ってしまわないようにする. -
6.身体への過度な負担を必要としないこと。
・ユーザが自然な姿勢で使えるようにする.
・無理な力を使わないようにする.
・同じ動作の繰り返しを最小限にする.
・長時間に渡る身体的な負担を最小限にする. -
7.利用のための十分な大きさと空間が確保されていること。
・操作に重要な部分が,座って使う人にも立って使う人にもはっきり見えるような視線を確保する.
・すべての部分が,座って使う人にも立って使う人にも心地よく手が伸ばせるようにする.
・様々な手や握りの大きさに適応できるようにする.
・支援機器を使ったり,人に補助してもらうのに十分な空間があるようにする
ユニバーサルデザインをパッケージにも
高齢化社会となり、2024年️9月に総務省が発表した資料によると、65歳以上の人口は3625万人で総人口に占める割合は 29.3%と過去最高値となりました。また、国内65歳以上の人口の割合は、世界最高(200の国と地域)でした。
日々、体力作りをし、筋力を保つことを意識しても、誰しもが同じ筋力を保つことはできません。そんな高齢化社会といったことに焦点を絞っても、ユニバーサルデザインの必要性が高いということがわかります。
高齢者のニーズを考えることで、筋力が弱いなどの病気や体が不自由な人にも使いやすい商品となるわけです。ほんの少しの心遣いがユニバーサルデザインの要素だということを頭の片隅に置いておくのも製品の価値を高める要素になるでしょう。 では、どのようなことができるでしょうか。まずは「親切心」という観点から考えてもいいかもしれません。
・わかりやすいデザイン
どういったことに使うものか、またはどういった食品なのか、分かりやすさに配慮することは重要です。 例えば、シャンプーやリンスといった類似商品の場合は迷ってしまうこともあります。
・中身を分かりやすく示す
食品であれば加熱の必要性や保存の仕方の分かりやすさは買いやすさにもなり得ます。
・見えやすい文字を使う
多きさはもちろん、見やすいフォントの使用など見せ方の工夫も大事です。
・ユニバーサルカラーの活用
色の見分けがつきにくい人には、文字の大きさだけでなく配色への意識が必要です。これは配色のバリアフリーです。
また、高齢になると水晶体にも変化があり、見えづらくなる傾向があると言います。
それらを踏まえた推奨色が下のカラーチャートです。東京大学の研究資料から引用したものです。
よく使われる色づかいの問題点
東京大学の研究によると、よく使われる色づかいでは下記の問題が指摘されています。
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注意1赤と緑の組み合わせ
色弱の人には紛らわしい
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注意2黄色の利用
白内障の人には明るすぎて見えづらい
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注意3空色とピンクの組み合わせ
色弱の人には紛らわしい
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注意4青と紫の組み合わせ
色弱の人には紛らわしい
白内障の人には暗すぎて黒と見分けづらい
カラーユニバーサルデザイン推奨配色
上記のような問題が起きるため、カラーユニバーサルデザイン推奨配色を用いることにより、「不便が軽減され、なおかつ一般の人にも分かりやすい。」と記されています。
また、色の組み合わせについては、カラー印刷だけで見るのではなく、モノクロ印刷で出力することで簡単に「見えやすさ」の確認ができます。彩度や明度の違いが明らかで、見えづらさが良く分かります。
※画像は環境により見え方が異なるため厳密な色再現ではありません。また簡易的にモノクロ変換したものです。
開封のしやすさ
箱でも袋でも、開けやすいに越したことはありません。 特に、手が不自由であれば開封作業は想像以上に大変です。年齢とともに握力も低下します。しかも、食品においては頻度も高いため少しでも分かりやすく開けやすいといった思いやりの工夫があると、使う側にとってはうれしいことでもあります。年齢とわず少しの配慮で変えられることがあるかもしれません。
まとめ
分かりやすいパッケージは、障害者や高齢者にかかわらず、日本語が分からない外国人にとっても便利なものです。
多様性を求められる時代。ユニバーサルデザインを取り入れた製品は必要性もありますが、消費者に寄り添った商品といった価値も評価されるのではないでしょうか。
もしかすると、ちょっとしたことで変えられる事もあるかもしれません。また、新製品の開発時に、取り入れることで競合の製品との差別化をこういった視点で考えるのもひとつかもしれません。
社会が求める課題可決のひとつとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。
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